ABOUT
ENTRY
COMMENT
TRACKBACK
ARCHIVE
BOOKMARK
FAVORITE
OTHERS

SHOGENISM

牛の卵
「竹富島には牛の卵がある」

ウチの母は昔からよくそれを口にしていた。
高校一年生の修学旅行で竹富島に行った時に見て以来、牛の卵がずっと頭から離れないらしいのだが、牛は哺乳類、もちろん卵を産むはずがない。周りにそのことを話しても頭がおかしいんじゃないのなどと言われて、誰も信じてくれなかったらしい。それでも母は「牛の卵、牛の卵」と言い続けた。
「あれを見れば何かが変わる」とまで言っていたので、今回石垣島に行くついでに竹富島に寄ることにした。


竹富島。人口約300人。島全体が国立公園に指定された島である。
珊瑚礁の垣根と赤瓦の家々。村中に咲き乱れたハイビスカスやブーゲンビリアは、琉球王朝時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えさせる。

喜宝院蒐集館と呼ばれる竹富島唯一の資料館。といっても小さな3つの部屋に美術工芸、民具、祭で使用された衣装や昔の貨幣など所狭しと並んでいるだけであったが、興味深いものが多かったので半ば目的を忘れて展示品を見ていると・・・あった!牛の卵!!!
厳密には卵ではなくて、毛球と呼ばれる牛の身体の中にできた結石らしいのだが、僕の中ではそれは立派な牛の卵だった。それを信じ続けた母をとても誇らしく思った。


レンタルした自転車で星砂の浜へと抜ける細い一本道を駆け抜けた。
たくさんの蝶々が僕らを歓迎してくれた。
| - | 16:17 | comments(9) | trackbacks(0) |