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SHOGENISM

空のかけら
成田空港に到着し、南国の余韻に浸る間もなく、現場に直行。
一週間ぶりの東京は妙によそよそしく、人も景色も現実感を欠いて見えた。
陽に灼かれ熱を帯びた肌だけが、自分の存在を訴えていた。

撮影場所は冷たい風が容赦なく吹き込んでくる、あるレストランの中庭。
向こうの気温にすっかり慣れてしまったせいか寒さが余計に身に滲みる・・・。
待ち時間の間、毛布に包まり暖をとった。
ふと空を見上げると高い建物に縁取られた小さな空がぽっかりと浮いていた。
その空間はどこか不自然で偽善的で、Venus Fortの色が変わる空を思い出した。鈍色のまんまの空は僕の気持ちをより一層重くさせた。せめて嘘でも真っ青に染めて欲しかった。

その時必要だったのは暖かいコーヒーでもストーブでもなく、人工的でない温かみのある何かだった。どこか遠くへ行ってしまいたかった・・・。



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